松平不昧公好み 皆美家伝「鯛めし」
そぼろにした鯛の身、茹でた卵の黄身と白身を裏ごししたもの、大根おろし・ねぎ・わさび・のりをご飯の上に乗せて、出汁をかけて食べる「皆美館」に代々伝承されている家伝料理です。
秘伝の出汁をかけて食す「鯛めし」は、あっさりとして身体にやさしい料理です。
さらさらとお茶漬けのようにしてお召し上がりください。
皆美家伝「鰻のしゃくもどき鍋」
その昔は「しゃく」というシギ科の鳥と茄子、牛蒡、銀杏など数種類の野菜で作った炊き合わせの料理でしたが、「しゃく」が保護鳥になり、捕獲できなくなったため、「鰻」が「しゃく」と味がよく似ているという理由から、初代板前長の西村常太郎が「しゃく」の代用として「鰻」を使い考案した逸品です。
レンジでお手軽にお召し上がり頂けます。
「鯛めし」の美味しさの秘訣は出汁
「鯛めし」はあっさりしていて、腹にもたれないのが魅力です。
その秘密は、ご飯にかける出汁にあり、この出汁が「鯛めし」の命です。
秘伝として伝わる出汁の作り方は、カツオの本節をベースに味をだし、うすくちしょうゆ、みりん、酒を使って味付けします。
それでいて、カツオのにおいを感じさせず、しょうゆの色を残しません。
しょうゆは、松江市内のしょうゆ会社に特注しているものを使用していて、出汁の色は無色に近いものとなっています。
鯛のそぼろは国産鯛の上身を贅沢に使用
鯛の身のそぼろは、1.5キロから2キロ級の国産鯛の上身(刺身にする部分)をそぐように包丁を入れて湯がきます。
火が通ったところで、これを湯せんでいりながらそぼろにします。
出汁の風味を生かすため、鯛には味をつけないのが特徴です。
しまね発全国ブランド「ネッカエッグ」を使用!
「ネッカエッグ」とは、島根県の鶏舎が作る良質な卵です。
炭と木酢酸で作る天然の飼料「ネッカリッチ」と海藻を与えて育てた鶏から産まれた卵です。
「ネッカリッチ」を与えることで、鶏の腸内環境が整い免疫力が向上します。
健康な鶏から産まれた卵は、栄養バランスが良く美味しい卵になります。
色つやが良く、甘味とコクがありなめらかで舌触り良く、生臭みがありません。
「鯛めし」の卵は、「ネッカエッグ」を使用し、茹でた卵を職人技で手間暇かけて裏ごしして提供しています。
皆美家伝「鯛めし」の由来
江戸・文化文政のころ松江七代目藩主、不昧(ふまい)公、松平治郷(はるさと)は譜代の名君で若くして禅を学び、茶道を修めた文化人、いわゆる不昧流の茶祖として、また天下の美術工芸品の蒐集家としてもあまりに有名であります。
資料は無く真意の程はわかりませんが、元々は当時長崎や平戸へ国内交易に運航した御用船が同地に滞在中、御用人達が味わい見覚えた西洋料理を持ち帰って日本風にアレンジし公に献上したところ、公は大変お気に召したという説と、一方、不昧流ではしばしば茶会を開きましたが、これに付き物の懐石料理に「鯛」が使われた資料が残っています。
また不昧公は身体が弱かったといわれ、常に「汁かけご飯」を好まれ、多くの献立にも消化を促進する「そば具」の調味料を添えて愛用されていたという聞き伝えを基に、明治21年創業、皆美館の初代板前長・西村常太郎が考案し、「鯛めし」として御殿料理に仕立てたのが始まりです。
以来家伝料理として後進によって脈々と伝承され今日に及んだもので「不昧公好み皆美家伝鯛めし」と名付け、当館が誇りと自信をもってご賞味に供する次第であります。
皆美家伝「鯛めし」のお召し上がり方
・商品を冷蔵庫で1日程度、解凍します。
お急ぎの場合は常温での解凍でもかまいませんが、電子レンジでの解凍は、具が固まってしまいますので、ご遠慮ください。
・容器の出汁を、鍋に移して温めます。
・ご飯をお茶碗の半分位によそってください。
鯛のそぼろ、卵の黄身、白身、大根おろし、ねぎ、わさび、のりをそれぞれの分量の1/3から1/2ずつご飯の上に盛り付けます。
出汁、具は、1人前でお茶碗に軽く2膳~3膳分の量です。
その上から、沸騰させた皆美秘伝の「家伝だし」をかけてお茶漬けの要領でお召し上がりください。
皆美家伝の鯛めしができるまで